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株式会社アサヒ商会DX推進宣言2026

AIを使い、付加価値を増やす。
敵対しないが、迎合もしない。
これがAIとともに生きる私たちが行うべきことだと考えています。

私たちの業界では、次のような構造変化が予想されています。

業務がデジタルで完結する範囲が広がることで、紙への出力は減っていきます。
複合機とその保守を収益の柱としてきた事業構造は、遠からず縮小に向かいます。
また、業務フローの理想形を設計するという作業自体をAIが担えるようになれば、事務機器販売業者が提供してきたデジタル化支援の一部も、その役割を終えていきます。
これは避けられない変化であり、否定しても仕方がありません。

一方で、この変化は新しい仕事を生みます。
オフィスの前提が、人間が主役の空間から、人間とAIが協働する空間へと移ります。
求められる什器、PC、ネットワークの構成は、すべて設計をやり直すことになります。
文具についても、必要に迫られて買う消耗品としての需要は減りますが、AIが広く使われるほど、創造性や人の心の動きに応じる道具の価値は上がっていきます。
市場は縮小するのではなく、質が入れ替わるのだと考えています。

そのうえで、私たちが残すべき仕事は何かを考えました。

AIが答えを出すことと、人が動くことは別のことです。
ダッシュボードは作れます。これからは誰でも作れるようになります。しかし、それを見て人が動くかどうかは別の問題です。
数字が並んでいても、目に入らなければ意味がありません。目に入っても、次の一手が手元になければ動きません。
人が気づいて行動に移すには、空間と、道具と、仕組みが必要です。画面だけでは足りません。
私たちは70年以上、そこを商いにしてきました。ここは代替されない領域だと考えています。

もちろん、紙がなくならないと申し上げているのではありません。減ります。その前提を受け入れたうえで、人が認知して行動するための仕掛けを設計する仕事へ、事業の重心を移していきます。

地域のお客様と話していて気づくのは、AIに乗せられる業務がそもそも少ないということです。
大企業は分業が進んでいるため、業務が輪郭を持っています。
中小企業ではその場で人が考えて処理するため、業務が人に張り付いていて、外からは見えません。
見えないものは任せられません。個人の判断ごとAIに写し取る方法もありますが、それを行うと今度は品質が誰にも説明できなくなります。

AIを導入することが難しいのではありません。導入できる状態を作ることが難しいのです。ここに手が入っていないために、多くの会社でAIが道具箱の中に置かれたままになっています。

ですから79期、当社はまず自社でこれを行います。業務を可視化し、定義を揃え、分散している情報の置き場を一つにします。そのうえで、営業にAIを用いて付加価値を上げ、業務にAIを用いて手間を減らします。受注後の処理を営業から内勤へ移す取り組みも進めます。これは直接AIの話ではありませんが、業務の輪郭を先に描かなければAIは乗らないため、順序としてこちらが先に来ます。

人の育成については、二つに分けて考えています。

一つは、全社員の発想を広げることです。AIに何をさせたいかを考えられるのは人間だけで、そこは代わってもらえません。ですから、やり方を教えるより、これができるのかという驚きを数多く経験してもらいます。難しくないものを、たくさん扱います。

もう一つは、業務の構造そのものを組み替えられる人材を、各部門に複数置くことです。誰かが作った小さな工夫を、つながった一つの流れにまとめ上げる仕事です。ここは選抜して育てます。

書きながら思うのは、可視化されていないのはお客様だけではないということです。私たち自身の業務も、相当な部分が人に張り付いています。ですからこれは支援の準備ではなく、自分たちの課題として取り組みます。

私たちは、道具と空間と情報を扱う会社です。人が動く条件を整えることが、ずっと商いの中身でした。AIの時代になっても、そこは変わらないと考えています。

地域の経営者の皆様には、まず自社の業務が見えているかを問い直してみていただきたいと思います。そこから先は、私たちが一緒に歩きます。

株式会社アサヒ商会 代表取締役 廣瀬一成