1. 市場認識 生成AIの実用化により、企業の業務のあり方は急速に変わりつつあります。この変化は、当社の既存事業に対して機会と同時に不利益をもたらします。まずその両面を整理します。 業務のデジタル化が進むほど、紙への出力は減ります。複合機とその保守を収益の柱としてきた当社の構造は、この影響を正面から受けます。加えて、業務フローの理想形を描く作業そのものをAIが担えるようになれば、当社がこれまで提供してきたデジタル化支援の一部も置き換わっていきます。 一方で、AIが答えを返すことと、人がそれを受けて動くことは別の問題です。判断材料が画面上に揃っても、それが日々の動作に落ちなければ成果は生まれません。人が気づき、動くための仕組みを組み立てる仕事は、むしろ重みを増していきます。当社は、働く空間の設計、手元の道具、情報が目に入る導線という三つを一体で扱ってきた事業者として、この領域に軸を置きます。 さらに、オフィスの前提そのものが変わります。人間が主役の空間から、人間とAIが協働する空間へと移るなかで、什器、PC、ネットワークの構成は再設計を必要とします。文具小売についても、必要に迫られて買う消耗品としての需要は減っていきますが、AIが広く使われるほど、創造性や人の心の動きに応じる領域の価値は上がります。市場は縮小するのではなく、質が入れ替わると考えています。 課題は別のところにあります。賃金水準が上昇するなかで、従来と同じ売り場づくりと売り方のままでは、店舗の生産性を保てません。ここは業務の側にAIを入れて解決すべき領域です。 そして地域の中小企業に目を向けると、AI活用には構造的な壁があります。大企業は業務の分業が進んでいるため、業務をAIに実装しやすい状態にあります。対して中小企業では、その場で人が考えて処理する場面が多く、分業が進んでいないために業務が属人化し、可視化されにくい構造があります。結果としてAIに乗りません。個人の判断を丸ごと模倣させる方法もありますが、それではサービス品質がブラックボックス化してしまいます。可視化されていない業務を、AIが扱える状態に整えること、ここに地域の最大の需要があります。 2. 経営ビジョンとビジネスモデルの方向性 当社は79期を、AIレディな会社へ移行する期と定めます。AIレディとは、AIを導入した状態ではなく、業務が可視化され、情報が構造化され、AIに任せる範囲を自ら定義できる状態を指します。 ビジョンは、自らAIと共に働く会社になり、その過程で得た知見をもって、地域の中小企業をAIレディな状態へ導くことです。 ビジネスモデルの方向性として、次の順序を採ります。第一に、自社の業務を可視化し、定義を揃え、分散している情報を一元化します。第二に、その基盤の上に営業AIと業務AIを実装します。営業AIは付加価値を高めるために、業務AIは業務量を減らすために用います。第三に、この実装の工程そのものを、可視化と正規化から入る伴走支援として顧客に提供します。自社と顧客が同じ工程を辿るため、当社の実践がそのまま支援の内容になります。 3. DX戦略 3-1. 情報環境の整備 当社の業務情報は、基幹システム、Google Workspace、kintone、チャットに分散しています。AIに業務を担わせるには、どこに何があり、どのように管理され、何を参照すべきかが定まっている必要があります。79期はこの一元管理に着手し、AIが読める状態の情報基盤を構築します。 あわせて、業務そのものの定義と正規化を進めます。可視化されていない業務はAIに乗りません。何を付加価値とするのかについての認識が共有されていなければ、何を任せるべきかも決まりません。この工程を、AI実装の前提として位置づけます。 3-2. 営業AI(付加価値の向上) 法人向けには、顧客の業種と規模、既存の設置機器、過去の取引内容、商談での発言といった顧客データを蓄積し、提案の精度向上に用います。営業シナリオ、トークスクリプト、提案書の高度化に活用し、提案が相手の課題に届いているかを検証しながら運用します。 店舗については、79期にPOSを更新し、11月以降ジャーナルデータの分析が可能になります。何と何が組み合わせで購入されているかを解析し、売り場構成と販促計画に反映します。あわせて、長期在庫として保有すべき商品と都度調達すべき商品を、在庫コストと調達リードタイムの観点から分析し、仕入方針を組み替えます。 さらに、商品マスターの構造そのものを見直します。筆記具のように、単一のSKUの動きだけでは売り場の判断材料にならない商品群が多く、実際の売り場展開はシリーズ単位で行われています。AIを用いてシリーズマスターを生成し、SKU単位の管理からシリーズ単位の管理へ移行します。データを分析する以前に、業務の実態に合った粒度でデータを構造化する必要があるという認識に基づく取り組みです。 3-3. 業務AI(業務量の削減) 取扱商品は20万点を超え、個別に見積もることは現実的ではありません。基幹システムの販売ログと仕入データを突合し、仕入価格の変動に売価が追随していない箇所を検出する仕組みを構築します。 情報を探すことに費やしている時間を排除し、チェック業務を自動化することで、誤りの起きない運用に近づけます。 配送については、受注が確定した後に調整するのではなく、内示、定期補充の予測、見積段階の案件といった確定前の情報を集約し、積載、配送ルート、納品日を事前に計画します。 3-4. 業務プロセスの再設計 79期は、受注以降の処理を営業担当が行っていた運用を、内勤へ移管します。AIを実装する前に業務の所在と手順を明確にしなければならないという考え方に基づく取り組みであり、可視化と正規化を自社で先に実践するものです。 4. 推進体制と人材の育成・確保 AIの活用において、論理的な処理はAIが担いますが、何を実現したいかを表現することは人間にしかできません。当社はこの依頼する能力を組織的に高めることを、人材育成の中心に置きます。育成対象を二層に分け、それぞれ異なる目標を設定します。 一般層(正社員50名) は、発想の拡張を目標とします。目的は操作方法の習得ではなく、これはAIに任せられると気づく力の獲得です。難易度の低い活用事例を大量に提示する研修を実施します。全社員が利用できる生成AI環境において、各自が自分の業務に応じたカスタム設定を作成し、社内で共有する取り組みを継続します。自律的なエージェントの構築を最初から目指すのではなく、AIを使う場面を見分け、依頼を組み立てる能力の底上げを優先します。 高度層(選抜10名) は、業務構造の再設計を目標とします。エージェント開発に対応した環境の操作を習得し、業務フローをエージェントとして構成し、発生したエラーを自ら修正できる水準を目指します。AIを用いたプログラミングにより、業務の主たる構造そのものを組み替えます。あわせて、一般層が個別に作成した小規模な仕組みを連結し、一貫した業務フローへ再構成する役割を担います。各部門、各業務ユニットに複数名を配置します。 この二層構造により、現場から生まれた改善の芽が、部門を越えた業務フローとして定着する経路を確保します。 高度な領域については外部の専門家との協業を継続します。ただし、何ができるのかを社内で理解していなければ依頼そのものが成立しません。外部に委ねるためにも、社内の想像力を先に高める必要があると考えています。 5. ITシステム環境の整備 AIを業務に組み込むには、参照すべき情報が特定の基盤に集約されていること、そして業務端末からその基盤へ安全に接続できることが前提になります。79期は次の整備を行います。 情報基盤の統合として、複数のサービスに分散しているコミュニケーション情報を、全社の業務基盤としているクラウド環境上へ統合します。会話のなかに蓄積された業務判断や経緯を、AIが参照できる範囲に取り込むための整備です。 開発環境の整備として、エージェント開発に対応した高度な生成AI環境を10アカウント確保し、高度層に配布します。 接続環境の整備として、拠点間接続をVPNからSASEへ移行します。クラウド基盤への依存度が高まるほど、拠点を前提とした境界型の接続方式では、場所を問わない安全な接続と可視性を確保できなくなるためです。 データ保全として、クラウドバックアップの整備と多要素認証の全社適用を継続します。情報の一元化は、同時にリスクの集中を意味します。集約を進める前に、保全と認証の水準を引き上げます。 セキュリティについては、SECURITY ACTION二つ星の自己宣言に基づく対策を継続するとともに、79期中にサプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度における三つ星の取得を目指します。自社を最初の適用先として取得の工程を確立し、その知見を地域の中小企業への支援サービスとして提供します。 6. 達成状況の指標 DX戦略の達成状況を判断するため、次の指標を設定します。6か月ごとのキックオフミーティングにおいて全社で確認します。 企業価値に関する指標 一人当たり時間生産性を主指標とします。粗利益を総労働時間で除した値とし、事業部ごとに基準値と目標値を設定して管理します。あわせて粗利益額を、営業AIによる付加価値向上の帰着点として管理します。 戦略の効果を評価する指標 総残業時間の削減 仕入価格の変動に売価が追随していない箇所の検出件数 配送1便あたりの納品件数 一般層が作成し社内で共有したAI活用設定の累計件数 計画の進捗を評価する指標 一般層向け研修の受講者数(正社員50名) 高度層の育成人数(選抜10名) シリーズマスターの整備対象カテゴリー数 コミュニケーション基盤の統合完了(79期内) SASEへの移行完了(79期内) セキュリティ対策評価制度三つ星の取得(79期内)
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AIを使い、付加価値を増やす。敵対しないが、迎合もしない。これがAIとともに生きる私たちが行うべきことだと考えています。私たちの業界では、次のような構造変化が予想されています。業務がデジタルで完結する範囲が広がることで、紙への出力は減っていきます。複合機とその保守を収益の柱としてきた事業構造は、遠からず縮小に向かいます。また、業務フローの理想形を設計するという作業自体をAIが担えるようになれば、事務機器販売業者が提供してきたデジタル化支援の一部も、その役割を終えていきます。これは避けられない変化であり、否定しても仕方がありません。一方で、この変化は新しい仕事を生みます。オフィスの前提が、人間が主役の空間から、人間とAIが協働する空間へと移ります。求められる什器、PC、ネットワークの構成は、すべて設計をやり直すことになります。文具についても、必要に迫られて買う消耗品としての需要は減りますが、AIが広く使われるほど、創造性や人の心の動きに応じる道具の価値は上がっていきます。市場は縮小するのではなく、質が入れ替わるのだと考えています。そのうえで、私たちが残すべき仕事は何かを考えました。AIが答えを出すことと、人が動くことは別のことです。ダッシュボードは作れます。これからは誰でも作れるようになります。しかし、それを見て人が動くかどうかは別の問題です。数字が並んでいても、目に入らなければ意味がありません。目に入っても、次の一手が手元になければ動きません。人が気づいて行動に移すには、空間と、道具と、仕組みが必要です。画面だけでは足りません。私たちは70年以上、そこを商いにしてきました。ここは代替されない領域だと考えています。もちろん、紙がなくならないと申し上げているのではありません。減ります。その前提を受け入れたうえで、人が認知して行動するための仕掛けを設計する仕事へ、事業の重心を移していきます。地域のお客様と話していて気づくのは、AIに乗せられる業務がそもそも少ないということです。大企業は分業が進んでいるため、業務が輪郭を持っています。中小企業ではその場で人が考えて処理するため、業務が人に張り付いていて、外からは見えません。見えないものは任せられません。個人の判断ごとAIに写し取る方法もありますが、それを行うと今度は品質が誰にも説明できなくなります。AIを導入することが難しいのではありません。導入できる状態を作ることが難しいのです。ここに手が入っていないために、多くの会社でAIが道具箱の中に置かれたままになっています。ですから79期、当社はまず自社でこれを行います。業務を可視化し、定義を揃え、分散している情報の置き場を一つにします。そのうえで、営業にAIを用いて付加価値を上げ、業務にAIを用いて手間を減らします。受注後の処理を営業から内勤へ移す取り組みも進めます。これは直接AIの話ではありませんが、業務の輪郭を先に描かなければAIは乗らないため、順序としてこちらが先に来ます。人の育成については、二つに分けて考えています。一つは、全社員の発想を広げることです。AIに何をさせたいかを考えられるのは人間だけで、そこは代わってもらえません。ですから、やり方を教えるより、これができるのかという驚きを数多く経験してもらいます。難しくないものを、たくさん扱います。もう一つは、業務の構造そのものを組み替えられる人材を、各部門に複数置くことです。誰かが作った小さな工夫を、つながった一つの流れにまとめ上げる仕事です。ここは選抜して育てます。書きながら思うのは、可視化されていないのはお客様だけではないということです。私たち自身の業務も、相当な部分が人に張り付いています。ですからこれは支援の準備ではなく、自分たちの課題として取り組みます。私たちは、道具と空間と情報を扱う会社です。人が動く条件を整えることが、ずっと商いの中身でした。AIの時代になっても、そこは変わらないと考えています。地域の経営者の皆様には、まず自社の業務が見えているかを問い直してみていただきたいと思います。そこから先は、私たちが一緒に歩きます。株式会社アサヒ商会 代表取締役 廣瀬一成
株式会社アサヒ商会は、事業活動を正常かつ円滑に行う上で、情報セキュリティの確保は重要課題のひとつであると考え、情報資産を保護する指針として、情報セキュリティ基本方針を策定し、これを以下の通り実施し推進します。 情報資産の保護 私たちは、情報資産の機密性、完全性及び可用性を確実に保護するために、適切な物理的、技術的、人的諸対策を講じます。 法令等の遵守 私たちは、情報セキュリティに関する法令、規則等を遵守します。 教育・研修の実施 私たちは、情報セキュリティの重要性を充分に認識し、組織的な教育・研修を実施します。 違反及び事故への対応 私たちは、情報セキュリティに関わる法令違反、契約違反及び事故が発生した場合には、適切に対処し再発防止に努めます。 継続的な改善 私たちは、本方針および関連する諸規則、管理体制の評価と見直しを定期的に行い、情報セキュリティの継続的な改善を図ります。 SECURITY ACTION宣言 私たちは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の創設した「SECURITY ACTION」の趣旨に賛同し、SECURITY ACTION 二つ星を宣言しました。SECURITY ACTIONは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。 2018年6月1日 株式会社アサヒ商会 代表取締役 廣瀬一成
企業価値の向上と差別化を目指すため、既存ビジネスの変革・新たなビジネスモデルの創出を主眼においたDX経営方針を策定しました。 1.市場認識 近年、AI・IoT・メタバース等に代表されるデジタル化・デジタル技術を活用し、企業経営におけるビジネスの深化と効率化、そして新たな価値創造に向けた取り組みは、業界や地域を問わず世界的な潮流となっています。こうしたDXと呼ばれる取り組み、およびその推進のための社内リソース拡大施策の重要性は、地方の中小企業経営においても同様です。しかしながら、既存事業を深く理解し、かつ最新のデジタル技術に通じた人材を地方で採用することは極めて困難です。また、既存従業員のリスキリングに取り組むにしても、ひとりの担当者が習得すべき内容が多岐にわたるため、ハードルは非常に高いものとなります。こうしたDX人材不足は、地方中小企業のDXを停滞させる大きな要因となっています。 この状況の中、アナログ需要の低下を見越して、ネットワーク構築やアプリケーションの販売・導入してきた地方の事務機器販売業社は、従業員の基本的IT素養や、顧客数の多さも相まって、地域に根を張ったDX推進役として大きな役割を果たせる可能性が期待されています。 更に当社の小売店・リサイクル事業においてもDXのニーズが高まっています。仕入から販売までのプロセスにおけるアナログ業務をいかにデジタルで効率化を図ることは、最低賃金の上昇を含め、個々の生産性向上が求められる時代において、極めて重要です。 このような取り組みにより、地域経済への貢献が期待されるため、事務機器販売業者は今後ますます重要な役割を果たしていきます。具体的な施策や成功事例を共有しながら、他の業者や地域全体を巻き込んだDX推進が進むことが望まれています。 2.経営戦略 私たちは、76年にわたり地域の人々と企業に「仕事をやりやすくする道具と環境」を提供してまいりました。私たちは文具を「仕事をやりやすくする道具」と「人生を豊かにするためのアイテム」という二軸の観点で見ています。それが文具の本質です。 前者の観点では、オフィス環境づくりやITインフラの整備、企業へのデジタル化支援も含まれます。文具の本質が仕事を楽にすることであるがゆえに、アナログ文具に限らず、アプリやPC、ネットワーク環境といったデジタルツールも同様に仕事の生産性を上げる道具と考えています。一方で、人生を豊かにするためのアイテムとして、文具小売店を通じてお客様の生活を楽しく豊かにする道具を提供しています。 私たちのビジョンは、「デジタルの力で地域のワークスタイルを革新し、お客様と共に新たな価値を創造するビジネスパートナーとなる」ことです。 以下の取り組みを行います。 全従業員がデータを自由に収集・活用できる環境を整え、合理的で迅速な意思決定を可能にします。データドリブン経営を徹底し、業務効率を最大化するとともに、お客様へのサービス品質を向上させます。また、自社で培ったデジタル技術やノウハウを活かし、業務プロセスの自動化や生産性向上を推進します。リスキリングを通じて全社員のデジタル素養を高め、組織全体での革新を促進します。 さらに、「スマコンサービス事業」や「ノーコードによる顧客支援事業」を立ち上げ、地域の中小企業のDX推進を伴走型で支援します。お客様の課題解決に寄与し、新しいビジネスモデルの共創を目指します。クラウド化やセキュリティ強化、最新のSaaSやノーコードツールの活用など、新しい技術やサービスを積極的に導入し、自社をロールモデルとして常に進化し続けます。 地域に根ざした企業として、DXを通じて地域全体の持続可能な発展に貢献します。他の企業や地域コミュニティと協力し、デジタル化の波を共有・拡大させます。私たちは、「ワークスタイル変革支援業」として、デジタル技術を駆使し、お客様の未来を共に創造していきます。変化を恐れず挑戦し続け、お客様にとって真に必要とされる存在となることを目指します。 <経営の深化> 経営判断・販売計画・営業戦略といった根拠に基づく分析や意思決定を現場レベルで提案・実行できる環境づくりに取り組みます。具体的には、各部署における持続的なDX戦略推進のため、デジタル素養の向上を目的としたリスキリングを実施し、属人化していた業務に関する情報を共有することによる、働きやすい職場づくりに取り組みます。また、自社をロールモデルとして、新しい技術やサービスを試験・活用し省力化することで、分析や顧客対応といった生産性の高い業務へ人員を集中させ、人時生産性の向上を図ります。 環境づくりと自社のロールモデル化に関しては、新たなデジタル技術やSaaSを積極的に導入・活用を行います。クラウド主体のプラットフォームに現場が蓄積した経営・営業・販売などのデータに対し、データポータルを活用することで、迅速な意思決定を現場レベルで実施するものとします。また、小売事業において、kintoneを活用した顧客管理やペーパーレス化、情報共有を推進し、ノーコードツールを現場で活用します。また、売上粗利の向上と業務負荷の削減を実現するSaaSを導入し、リサイクル事業ではファイルメーカーによるデータベース管理を行い、仕入から販売、在庫、売上分析の生産性向上を図ります。情報の活用水準の向上:データドリブン経営 現場で蓄積した情報を、全従業員が自由に活用できるプラットフォームを構築します。そして、経営判断・販売計画・営業戦略といった根拠に基づく意思決定を現場レベルで提案・実行できる環境を作ります。また、属人化していた業務に関する情報を共有することにより、働きやすい職場づくりを目指します。 <経営の挑戦> 経営の深化で培ったデジタルノウハウを、新規事業として立ち上げる「スマコンサービス事業」および「ノーコードによる顧客支援事業」にも活用し、これらを担える組織を育成すると同時に、DX推進の遅れている地域中小企業を対象にしたマーケティング活動を既存顧客と新規顧客の両面で行い、顧客認知の向上を狙います。そのために、WEBマーケティングをはじめとする各メディアにおけるマーケティング活動をデータとして分析するとともに、顧客情報のデータベースを構築し、効果測定のできる販促活動を行います。 新規事業:DX支援「スマコンサービス事業」 超情報化社会に対応し、選ばれる企業を目指すお客様のために、伴走型経営支援サービスを立ち上げます。オフィスのネットワーク環境やDXの浸透状況を把握し、ESGの視点から企業に潜むリスクや課題を可視化(診断)したうえで、IT環境の改善、業務効率化、リスク回避に向けた支援を提供していきます。 新規事業:ノーコードによる顧客支援事業 ノーコードによる顧客支援事業を立ち上げます。具体的には、kintoneを活用したアプリ作成の支援を行い、プログラミングの知識がなくても業務効率化やデータ管理を手軽に実現できるようサポートします。お客様のニーズに合わせたアプリを迅速に構築し、業務フローの最適化や作業の自動化を支援することで、ビジネスの成長を後押しします。 3.効果的なDX推進のための体制 経営方針の推進強化を図るための全社横断のDX委員会と、これのアドバイザーとなるDX推進本部を組織します。人材育成・採用の観点から、DX委員会におけるキーパーソンを各部署で育成し、全社的なデジタル活用を促進するため、管理職にはデータ分析、現場レベルにはDX学校®(75期 DX学校 社員受講者38名 実績)やノーコードツールの活用勉強会を実施、継続します。新入社員に対しても同様のデジタル教育を行い、各部署での継続的なDX推進を加速させます。新規事業を担うDX推進本部は、研修や他社見学に積極的に参加し、新たな知見の吸収・展開を狙います。また、各方面における専門性の高い外部パートナーとの関係性を構築することで、高度なデジタル技術の取得やセキュリティ対策を講じてまいります。 4.環境整備の具体的方針 DX経営方針の実現のため、下記3つの領域に対して取り組んでまいります。 クラウド化 現在オンプレとなっているシステムに関して、全社横断でデータを収集・共有・分析するため、SaaS主体のプラットフォームを現場を交えて構築します。また、各事業の従来業務にSaaSを活用し省力化することで、分析や仮説検証といった生産性の高い業務へ人員を集中させ、人時生産性の向上を図ります。 セキュリティ増強 年々増大する情報資産を守り、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めるため、外部パートナー及びDX推進本部による対策勉強会を定期的に実施します。また、セキュリティに関する規定の資格取得支援を充実させ、全社的なITリテラシー向上を目指します。 インフラ改善 クラウドツールを満足に活用するため、DX推進本部が中心となり、PC・スマホ・回線など業務に不可欠なインフラを見直し、最新のサービスや技術を積極的に試し、社内に展開します。 5.達成状況の指標 DX経営方針の戦略達成状況を判断するため、下記項目を指標として設定します。これら指標について、4ヶ月単位のキックオフミーティングにて全社的にチェックを行います。 <経営の深化> EDRによるセキュリティ強化(77期) GoogleWorkspaceをベースとしたデータクラウド化(77~78期) サテライトオフィスアドオンによるITツールの集約(77~78期) (点在しているLINEWORK、chatwork,king of time,ワークフローなどの集約) kintoneによる顧客データベースの構築 ファイルメーカーによるデータベース管理 販売基幹システムの入れ替え(クラウド化、データ分析機能刷新) デジタル活用スキル勉強会の実施 個人情報保護士取得 <経営の挑戦> DX支援事業 スマコン事業 1000万円(77期) 定期支援社数96社 お客様のネットワーク機器の利用状況を収集・分析したカルテを作成し、機器管理サービスを提供します。また、弊社内でスマコン専任者を育成し、伴走型の支援を実施。さらに、オンサイトサポートを開設し、復旧支援や個別相談にも対応します。これら多角的な支援を通じ、定期的なサポート契約を96社に拡大することを目標としています。 ノーコードによる顧客支援事業 900万円(77期) お客様のオフィス内に散在するエクセルファイル、煩雑なメール、紙の書類、そして統一されていないシステムなど、業務の非効率を引き起こしている課題を解決するため、弊社が蓄積してきたkintoneのノウハウを活用し、ご支援いたします。これにより、業務効率化やデータ管理を手軽に実現できるようサポートします。また、アプリ構築に必要な人材の育成も行い、kintone構築支援を20社に提供することを目標としています。 6.トップメッセージ デジタル技術を活用した企業経営の深化と新たな価値創造 AI、IoT、メタバースなど、デジタル化・デジタル技術を活用することで、企業経営におけるビジネスの深化や効率化、そして新たな価値創造が世界的な潮流となっています。当社は「仕事をやりやすくする道具と環境を提供する」というサービスを通じて、これまで培ってきたデジタル化の経験を活かし、企業のワークスタイル変革支援を目指しています。 現在、DX支援や人材育成に取り組んでいますが、店舗販売やリサイクル業といった部門においては、DXによる革新の余地がまだ多く残されています。そこで本年度は、既存のDX支援・人材育成に加え、自社の小売業およびリサイクル業のDXを進展させ、データを活用した顧客対応力と生産性の向上を目指します。 小売業におけるDXの具体的施策 小売事業では、顧客管理やペーパーレス化、情報共有の推進を目的に「kintone」を活用し、現場でノーコードツールを取り入れます。これにより、売上と粗利の向上、業務負荷の削減を目指すSaaSを導入します。 リサイクル事業におけるDXの取り組み リサイクル事業では「ファイルメーカー」を活用し、仕入から販売、在庫、売上分析までの一連のデータベース管理を実施することで、生産性向上を図ります。 新サービスの立ち上げとIT投資の強化 また、DX支援事業およびノーコードによる顧客支援事業の新サービス立ち上げに際し、さらなるIT投資を行います。社内のDX推進を強化し、最新のITトレンドやセキュリティ状況に柔軟に対応できる体制を整備します。システムの刷新やツール選定を進め、インフラとツール環境を整備し、全社員が自由にデータを収集・活用できる「データドリブン経営」を実現します。 デジタル教育と組織変革 DX推進に向け、各部署でキーパーソンの育成を目的に「DX学校®」を活用したデジタル教育を行います。管理職にはデータ分析のスキルを、現場レベルではPCの基礎スキル向上やノーコードツールの活用勉強会を実施します。さらに、DX推進本部は他社との連携や研修を通じ、外部の知見を積極的に取り入れ、社内に展開します。新入社員に対しても、同様のデジタル教育を提供します。 セキュリティとITリテラシーの向上 増加する情報資産に対応するため、外部パートナーおよびDX推進本部によるセキュリティ対策の勉強会を定期的に開催し、全社的なITリテラシーの向上を図ります。DX推進をさらに加速させ、迅速な意思決定を現場で実施できる体制を築きます。 このように蓄積したデジタル化の実践ツールや環境を活かし、ワークスタイルの変革と生産性向上を支援する企業として、お客様に貢献してまいります。 株式会社アサヒ商会 代表取締役 広瀬一成